『べコック (Bekok)』|マレーシアのレトロな町巡り

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マレーシアの田舎町には不思議な哀愁が漂います。

イギリスやポルトガルが統治していた時期があったため、昔の建物はどこかヨーロッパぽい。

マレー、中国、インドという三つの民族が融合しているため、色もカラフルだ。

ペンキのハゲた壁、色褪せたバナー、錆びたシャッターとゲート、中国語と英語とマレー語が混ざった看板の字。

こちらをジロジロ見てくる上半身裸のおじさん達。

埃の被った賞味期限切れのお菓子を平気で売ってる雑貨屋。

マレーシアの田舎町では適当にシャッターを押せばそれはレトロな写真が撮れます。

大きな都市ではどんどん都市化が進み、あまり見られなくなった昔ながらの建物も田舎町には溢れています。

お金がないのか、後継者がいないのか、お店や家は古く、やってるのか人が住んでいるのかわからないものまである。

こういった古い街や建物はしばらくしたらどんどん見れなくなってくるかもしれない。

マレーシアに長く住んでいる人も、マレーシアに初めてくる人も、こんな田舎町を訪れてみるのもマレーシアの違う顔をみれていいかもしれない。

そんな田舎町の一つ『べコック(Bekok)』にカメラを持って被写体探してぶらぶらしてきます。

おうすけ

はじめまして「おうすけ」と言います。
このブログでは伊豆や静岡の観光スポット、おすすめグルメ、ランチスポットなど色々な分野を紹介しております。

2023年より、かつて暮らしていたマレーシアに戻ってきました。
今後はしばらく、マレーシアの食や文化、言語について、かつて15年以上マレーシア住んでいた私ならではの視点で紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

『べコック(Bekok)』とは

『べコック(Bekok)』とはマレーシア半島の南の州、ジョホール州の一つの町です。

車でも電車でも行けます。

ジョホールバルからの方が近いですね。

こんなに内陸の一見何もなさそうな町なですが、マレーシア鉄道KTMの駅があり、近くに大きな滝がある公園があって観光客も訪れる場所でもあります。

フルーツの王様ドリアンの町

この『べコック(Bekok)』で有名なのが、フルーツの王様「ドリアン」です。

『べコック(Bekok)』の町の中心にあるモニュメント。

ゴリラがドリアン持ってます。

「彼咯(Bǐ gē)」というのはBekokの中国語の名前です。

マレーシアにはたくさん華人がいるため、町の名前も中国語の名前があります。

マレー語名に発音が似ているものもあれば、全く違う名前のものもあります。

「榴莲乡(Liúlián xiāng)」というのはドリアンの里とか町とか村とかその様な意味です。

マレーシアではドリアンのなるシーズンが一年に2回ほどあって(6月~7月頃と、11月~12月頃)、昔はどの月がドリアンがなるシーズンとか決まっていたけど、最近はどの時期とはっきりと言えないそうです。

天候が変わったせいだと地元の人は言っています。

もちろんドリアンの種類や収穫方法によっても時期がずれたりします。

私が住んでいる地域もドリアンが有名ですが、最近は年に3回ぐらい売られているのを見ますよ。

地元の人も。「え?今って時期だっけ?」みたいな会話をしてます。

ちょうどこの時ドリアンの時期だったので、町でも売ってました。

マレーシアには200以上のドリアンが登録されています。

ドリアンが売られているところで、「D-24」「D-197」「D-175」というふうに書かれているのをみることがあります。

このDはドリアンのDで、マレーシアで商品登録された順番に番号が付けられています。

番号が若ければ若いほど最初に登録されたドリアンの種類になるということです。

ドリアンについてはまた別個に記事を書きたいと思います。

田舎町の「板面(バンミィエン)」

お腹が空いたので、このゴリラの後ろにある店に入ってみました。

汚いテーブルがあって、そこに地元の農家の人たちがランチを食べに来ていました。

お客はみんな顔見知り。

すぐに自分が他の土地から来たものだと分かるのでしょう。

おじさんたちはジロジロみてきます。

とりあえず「板面(バンミィエン)」にしてみました。

「板面(バンミィエン)」は小麦面で平たくてきしめんの様な感じです。

一般的に「板面(バンミィエン)」Ikan Bilis(イカンビリス)というイワシの稚魚を塩漬けして干したものが載っているのが定番ですが、これには入ってないです。

このIkan Bilis(イカンビリス)がとても大事で、ちょっと入ってるだけで出汁が出て、塩味もつよいので素朴な味にパンチを加えてくれるのです。

このIkan Bilis(イカンビリス) はマレーシアの料理には欠かせないものです。

ただ、結構高価な食材なので、値段を抑える為に店によってはあまり入れないところも増えています。

この上に乗ってる葉っぱSayur Manis (马尼菜) 「板面(バンミィエン)」には欠かせません。

この店のは超シンプルな味付けです。

こんな時はテーブルに置いてある調味料で、自分なりにアレンジ。

ニンニク、唐辛子、醤油、胡椒があるのでこれでだいぶ味変できます。

このお店に入れ替わり立ち替わり農家のおじさんたちが入っては出ていく。

ここで気がついたのは、こんな小さな町なのでみんな知り合い笑笑

新しい客が入ってくると、すぐに会話が始まる。

しかも、会話の言語は『客家語』。

この辺は客家の人たちが移り住んだ場所ということは聞いていたけど、ここまで普通に『客家語』が使われているとはびっくり。

『べコック(Bekok)』のメインストリートを歩く

これがメインストリートです。

古い建物が並び、ところどころにストリートアートがあります。

アスファルトの上に描かれたコカコーラ。

建物見てるだけで、なんか楽しい。

お店のおじさんに、お店の写真を撮っていいかと聞いたら、「もちろん、いいよ!」と言ってくれたので撮り始めたら、もう閉店らしくシャッターを閉め始めた・・・。

せめて、撮り終わるまではサービスしてよ。

このお店の横には駅のホームみたいな階段があります。

こっちに昔線路が通っていたのかな??

今は新しい大きな駅がもう少し離れたところにできました。

マレーシアは今鉄道KTMに力を入れていて、田舎町の駅がどんどん新しくなっています。

今まではKTMは不便だし、電車の中は快適ではなく、時間通りにも来ない、遅い、本数が少ないなどの理由であまり使う人がいなかった電車ですが、これから新しくなってみんなが利用したらもうちょっとマシになるでしょうか・・・。

この階段登って電車に乗っていたのかな?それとも車庫?

ストリートアート

メインストリートから一本中に入ると、ストリートアートが所々にあります。

めちゃくちゃど素人感の強いアート。

おっとこんなところにブルースリー。

これはかなりマッチしてる。

虎とピカチュウ。

どっちが先でどっちが後か知らんけど、描く時に隣の絵とのバランス考えなかったんだろうか・・・。

『南开餐室』

この裏道のアートを眺めていると、洗濯物を干しているおばちゃんと目が合ったので、中国語で「なんでここはこんなにストリートアートが多いんですか?と聞いてみると、英語で返事が返ってきた。

「数年前にイベントで何人かアーティストが来て描いていったんだよ。」

とのこと。

「この辺に美味しい食べ物屋さんか珈琲店はありますか?」と聞くと、「うちが珈琲店だよ。コーヒー飲んできな。」と誘われた。

「え?どこですか?」と聞いたら、「着いてきな」と。

裏口から案内された。

ストリートアートがある裏口側から入っていく。

このごちゃごちゃ感がマレーシアだわ。

表側は確かに珈琲屋さんだった。

いつもならあまり食べないが、おばちゃんのおすすめということで、マレーシアで一番食べられていると言ってもいいジャム、『KAYA(カヤ)』を挟んだトーストを注文。

『KAYA(カヤ)』とはパンダンリーフという葉っぱを使い香りと色付けし、ココナッツミルクと卵と砂糖で作るジャムです。

移住したばかりの頃は、帰国する時マレーシアからのお土産としてよく買ってましたが、日本人には見たことのない見た目で、この濁った薄黒い緑色のドロっとしたものをお土産として渡してもなかなか反応が薄いっていうことでそのうちあまり買わなくなりましたが、実はパンに塗って食べるとめちゃくちゃ美味しいんです!

甘いのが苦手な私でも、これは朝ごはんやおやつに食べる人が多いのも分かると頷きます。

見た目と味にこんなギャップがある食べ物他にあるでしょうか?

マレーシアではこんな感じで、マーガリンとカヤを焼いたトーストに挟んで食べます。

あ、中を開いてる写真なくてごめんなさい。

そして、甘いコーヒー。

カップの底に甘い甘いコンデンスミルクが沈んでます。

なるべくかき混ぜないようにそーっと啜る。

はい、この定番のカップとソーサーね。

こうやって普段は食べたり飲んだりしないものを食して、地元目線で外を眺めます。

半裸のおじさんたちは、このトーストを食べ、コーヒーを飲みながら何を思うのだろうか・・・。

ここで口にしたトーストとコーヒーは、なんら特別なパンでもコーヒーでもなく、よくマレーシアにある味なんですが、なんか今日は味がランクアップした気がします。

お値段もガッツリぼったくられました(苦笑)。

店のおばちゃんが、ガイドブックみたいなものを渡してくれて、街の見どころを紹介してくれました。

ガイドブックを見てみると、この珈琲店この町では結構有名みたいです。

というかここぐらいしかないのかな。

ガイドブックの左上にこの店の紹介されてます。

『南开餐室』というお店です。

雰囲気は50年ぐらい前から時が止まっているかの様な感じです。

このガイドブックに載っている、『Ah Lai Laksa(阿来叻沙)』というお店がこの珈琲店の目の前にあったのですが、この日はお休みでした。

店を出て、昔駅があった方へ歩いてみます。

ここは駅の関係の建物があったのでしょうか?

車庫とか。

客家文化館(Hakka Heritage Gallery Bekok)

もう少し線路の方へ歩いていくと、こんな建物が。

この『べコック(Bekok)』という町は、中国南部に住む民族集団の移民で客家(ハッカ)と呼ばれる民族が多く移住したみたいです。

彼らの言語は客家語(ハッカ語)であり、実際に町でも北京語(マンダリン、普通话)よりも客家語の方が飛び交っていました。

その客家(ハッカ)の文化を展示した「客家文化館(Hakka Heritage Gallery Bekok)」がありました。

中に入ろうと思ったのですが、誰もおらず・・・。

今日は休館日なのかな?

民宿と書かれているので、ここにも泊まれるのでしょうか?

一緒に来た友人たちが入った別の店に合流。

歴史感じる〜。

やっぱり飲食の値段は田舎プライスですね。

Googleマップには店名は出てなかったです。

歩いて見れるところはあまりなさそうなので、車を走らせて観光します。

いやあ田舎道!

不思議な廃墟見つけました。

いい感じ。

この感じはただの家ではないでしょうね。

この建物はなんだったのか色々想像を膨らませるのも田舎めぐりの楽しみです。

お腹が空いてきたので、ランチできるところ探します。

『老友记云吞面』

Bekokのメインストリートから北に上がったところに、『老友记云吞面』という「云吞面」のお店があります。

この「云吞面」ですが、私はマレーシアに来てから何百回と「云吞面」を食べてきたと思うのですが、一回も美味しいのに出会ったことがないのです・・・。

もちろん、そもそもこの料理の良さがいまいちよくわからんというのが前提にあるのですが笑。

地元民には好きな人も多いので、あまり声を大にして言えないのですが・・・・・・「一体この「云吞面」のどこに魅力があるのか?」と聞きたい笑

地元の人がここの「云吞面」は最高とか、唯一無二とかいうのですが、正直どこで食べても味はほぼ一緒・・・。

なので永遠に美味しい「云吞面」には出会えていないのです。

だってどれも一緒だから。

マレーシアの料理の特徴として、日本の料理のようにあまり独自のアレンジをしないというのが挙げれます。

だから、「云吞面」というと、マレーシア全土どこもあまり変わらないのですね。

そんな中からあるなら、誰か本当に美味しい「云吞面」を教えてください。

この店を紹介する前からこんな入りもなんですが・・・。

このお店は新聞などの記事にも取り上げられた様で、街の至る所に貼られていました。

ここの店主が自ら麺を打っている様で、打つときに大きな棒に乗ってジャンプしながら打つとか。

上に載ったチャーシューも炭でローストしたものらしい。

「云吞面」があまり好きではないので、他のメニューを注文しようとしたら、店主に「云吞面」しかないからそれでいいか?と聞かれました。

午後の1時過ぎだったので行った時間が悪かったのでしょうかね。

それとももう他のメニューはやってないけど、看板には残してあるパターンかな?(マレーシアにはよくあるある)

ということで、勝手に「云吞面」になりました。

「云吞面」というより、麺は手工麺に近かったです。

びっくりするぐらい普通の「云吞面」でした。

以上です。

「云吞面」の魅力とはなんなんでしょうか?

誰か教えてください苦笑

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