今日紹介する『肉骨茶(バクテー)』は地元の華人やインド人、そして現地の日本人にも大人気の料理です。
薬膳料理でこんなに癖があるのに、現地日本人や旅行で来た日本人でこの料理を嫌いだという人は聞いたことも見たこともない。(いるのかもしれませんが・・・)
みんな一度食べたら、「大好き!」になる料理です。
バクテー!ってなんか名前もインパクトがあって覚えやすい。
マレーシアに来たことがない人も、最近はテレビなどで紹介されることもあるのでご存じの方もいるかもしれません。
あの俳優のディーン・フジオカさんの大好物はこの『肉骨茶(バクテー)』で自分の好みの味にかなりこだわりがある様です。
最近は東京でも食べれるお店が増えてきてます。
そんな『肉骨茶(バクテー)』とはどんな料理なのかご紹介して行きます!
はじめまして「おうすけ」と言います。
このブログでは伊豆や静岡の観光スポット、おすすめグルメ、ランチスポットなど色々な分野を紹介しております。
2023年より、かつて暮らしていたマレーシアに戻ってきました。
今後はしばらく、マレーシアの食や文化、言語について、かつて15年以上マレーシア住んでいた私ならではの視点で紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。
コンテンツ
『肉骨茶(バクテー)』とは?
『肉骨茶(バクテー)』って一体何?
まずウィキペディアから引用すると・・・
ぶつ切りの豚あばら肉(皮付き)や内臓肉を、漢方薬に用いる生薬と中国醤油で煮込んだ料理で、一般的には土鍋で供され、白米にスープを掛けながら食べる。
刻み生ニンニク・刻み青唐辛子を好みに応じつけたり、スープに入れる。
油条(中国式の揚げパン)を切ったものをスープに浸して食べる。Thick Soy Sauceと呼ばれる甘口のどろっとした中国醤油を提供する店が多い。
伝統的なスタイルは豚肉のみとされているが、野菜類、きのこ類、中国湯葉、厚揚げなどが入ったメニューもある。
生薬にはスターアニス(大茴香)、シナモン(桂皮)、クローブ(丁子)、コショウ(胡椒)、ニンニク(大蒜)などがよく使われるが、他にも多様な組み合わせがあり、店によって個性がある。
この説明だけでは到底想像がつかないでしょう。
見た目はこんな感じです。
土鍋に入っているのでグツグツと煮立っているものも多くあります。
『肉骨茶(バクテー)』の発祥はマレーシアか?シンガポールか?
マレーシア人からしたら、バクテーの発祥はマレーシア。
有力な発祥地の説はクアラルンプールの中心から車で30〜40分ぐらいの郊外の「Klang(クラン)」中国語で「巴生 (バーシェン)」という街です。
マレーシアでバクテーを食べるなら、「Klang(クラン)」というほどバクテー屋さんが沢山あります。
「Klang(クラン)」中国語で「巴生 (バーシェン)」という街は港町で、多くの中国からの移民が肉体労働をしていたので、体力をつけるために、バクテーを食べるようになったと言われています。
移民なのでお金もなかったので、余った豚の骨や内臓などを中国漢方で煮込んで、ご飯や揚げパンにぶっかけて食べていたのが始まりとも言われています。
ところがシンガポール人からしたら、発祥はシンガポール。
「Founder Bak Kut Teh Restaurant(発起人肉骨茶餐室)」というお店になっています。
発起人という名前まで付いてますね。
マレーシアとシンガポールは食べ物の発祥でよく争いが起きています。
元々同じ国ですし、中国から華人が移動して食文化も伝わっていったわけですから、どっちが発祥かよくわからないことも多いわけです。
ですから、よく論争が起きます。
私個人的に見ていて、シンガポールにある食事はほとんどマレーシアにもあります。
華人が北の中国から伝えたとなると、どんな料理もマレーシアを通ってきているような気がします。
それにシンガポールは元々マレーシアの国領土で、独立したのは50数年前です。
ですから、ほとんどの料理はマレーシア発祥と言っても過言ではない。
でも、シンガポール人の方がプロデュース力が高いのです。
それに加えシンガポールの方が国としても世界によく知られていますから、それでマレーシアにもあるのにシンガポール発祥となっている料理が多いのです。
このバクテーに関しても論争がありますが、私個人的にはマレーシア発祥説がしっくりくるかなと思ってます。
そもそも、マレーシアのバクテーとシンガポールのバクテーは味がだいぶ違います。
マレーシアのバクテーは福建省出身の移民の人が考案したレシピ言われています。
「肉骨茶」のバクテーという読み方も、福建語の発音です。
いわゆるマンダリンと呼ばれる北京語で読むと、「ロウグゥチャー」です。
「肉骨茶」がバクテーと福建語で呼ばれていることを考えても、本来の福建省の華人の味が本来の味だと私は思います。
シンガポールの味は中華人民共和国広東省東部に位置する潮州市の由来の味と言われています。
シンガポール人の中にもシンガポールのバクテーの味はマレーシアのバクテーを現地のシンガポール人がアレンジしたものと言っている人もいます。
まあでも、シンガポールの「肉骨茶」の味は全く別物なので、その味の発祥のお店があるシンガポールが「肉骨茶」の発祥地という説も納得がいきます。
マレーシアのバクテーのスープは色が茶色で薄い茶色から濃い茶色まで色々あります。
中国ハーブが使われているのと、醤油の色が出て茶色のスープになっています。
シンガポールのスープは白っぽく半透明です。
胡椒とニンニクと塩で味付けられており、シンプルでいいのですが、日本人など外国人でマレーシアのバクテーを最初に食べてしまった人からは不評です。
マレーシアの肉骨茶とシンガポールの肉骨茶の違い
- マレーシアのバクテーのスープは色が濃いめで薄い茶色から濃い茶色まであり
- シンガポールのスープは白っぽく半透明で、胡椒とニンニクと塩で味付けられている
あの中国ハーブがめちゃくちゃ効いてるマレーシアの味の舌でシンガポール版を食べてしまうと、あれ?ってなるのかもしれません。
でも私からしたら、全く別料理でシンガポールの胡椒とニンニクがガッツリ聞いたスープも大好きです。
全く別の料理と考えるとどちらもすごく美味しい。
これをどっちが美味いかと比べるのはちょっと違うかなとも思います。
『肉骨茶(バクテー)』の注文の仕方
まずバクテー屋さんは専門店が多いのでほとんどバクテーしか置いてないと思います。
フードコートなどで売っている場合は別ですが。
ステップ1
お店に入ったらまず、何人分のバクテーが欲しいか伝えます。
もし二人なら「2 person」でOKです。
中国語なら「两个人(リャンガレン)」といえばOKです。
ステップ2
次に、スープかドライかどちらを食べたいか伝えます。
『肉骨茶(バクテー)』は基本スープ料理なのですが、「ドライ」のバクテーも提供しているお店があります。
特に『肉骨茶(バクテー)』発祥の地と言われている「Klang」という街にはどちらも提供しているお店が多いです。
両方ある店なら、スープかドライかどちらを食べたいか伝えます。
英語なら、「Soup」か「Dry」になります。
中国語なら、スープなら「汤 Tāng(タンー)」、ドライなら「干 Gàn(ガン)」です。
もちろん両方頼んでもいいですよ。
提供の仕方は、大きな土鍋に豚肉の色々な部位を入れて提供のお店がほとんどですが、「Klang」などでは小さなお椀にそれぞれ部位を分けて提供してくるお店もあります。
そういう店は大体ちょっと高めで、スープも少なめです。
ステップ3
次に豚肉の部位を選びます。
特定の部位を食べたい、もしくは特定の部位を食べたくない場合もこの時に注文するのですが、初心者には難しいです。
大体お店の人がお客さんが外国人だと気を利かせてくれて、内臓は食べれますか?と聞いてくれます。
内臓は英語で「Intestine」です。
「Can you eat intestine?」とか「Intestine ok?」とか聞いてくれるので、食べれるもしくは好きならOKといえばいいです。
ちなみに中国語では「内脏(ネイザン)」とか 「猪肠(ジュウチャン)」と言います。
入れて欲しいなら、「我要内脏(ウォーヤオ ネイザン)」、入れてほしくない時は、「不要内脏(ブーヤオ ネイザン」で通じます。
内臓が入っていてもそんなに癖はないので、食べてみるものいいかもですね。
むしろ私は内臓を入れてもらいます。
大体肉の部位の選択肢としては、骨付きリブ、バラ肉、肩ロースなどがあります。
豚足を出してる店もあります。
ステップ4
スープかドライか注文したら、追加のトッピングやサイドディッシュを注文します。
基本的には乾燥させた湯葉、油揚げ、えのき、椎茸、レタスなど、これらが一定量、最初から入ってる場合もあります。
店によります。
最近ケチなお店は、スープと肉だけ土鍋に入っていて、あとは全部追加で注文しないと何も入ってないという店もあります。
その店にあるメニューやお店の人が勧めてきたもの、または壁に貼ってあるメニューなどを見て、考慮して注文してみるといいかと思います。
言葉がわからなければ指差しで。
大体、湯葉、油揚げ、えのき、は入ってることが多いです。
初めて行ったお店なら、お店の人のおすすめで食べてみるのもいいかと思います。
サイドディッシュには炒めたレタスとか酢で煮込んだ豚足などがあります。
これは「油菜(ヨウツァイ)」といって、レタスを炒めたものです。
追加で注文したいメニューに、「油条(ヨウティアオ)」があります。
「Yau Char Kwai」とか「Char Kuih」などと表記されている場合もあります。
揚げパンみたいやつです。
これです。
これは肉骨茶と一緒に食べるトッピングみたいなものです。
それを最初に鍋に入れちゃうのが好きな人もいるし、入れないで食べる時に自分の器に入れる人もいて好みが分かれます。
初めて食べる時はこれを注文した方がいいかと思います。
これあっての肉骨茶とも言えますから。
注文しないとお店の人が要りますか?と聞いてきます。
自分はマレーシアに移住して最初の頃、この「油条(ヨウティアオ)」があまり好きではなく、一緒に食べてる友人が注文しても、食べない事が多かったです。
鍋に先に入れてしまうと、ブヨブヨになってしまい、食感があまりよくないからです。
油で揚げたパンみたいな感じなので、結構お腹も膨れますしね。
でも、自分が取ったスープや肉の入ったお椀に食べる時に入れれば、若干元の食感も楽しみながらいただけることに気がつき、それ以降食べることが多くなりました。
ステップ5
バクテーを注文したら、今度はお茶は何を飲むか聞かれます。
お茶をたのまなくてもいいのですが、バクテー屋さんでは中国茶と一緒に食べるのが一般的です。
茶葉のパッケージを席まで持ってきてくれて選ばせてくれるところもあれば、自分でこのお茶がいいと注文しなければならないところもあります。
烏龍茶、ジャスミン茶、プーアール茶、などの中から選びます。
お茶っ葉を注文したら、お店の人がポットと人数分の器とお湯を持ってきてくれるので、それで自分たちで淹れます。
冷たいお茶が欲しければ、氷を注文すれば、コップに氷を入れて持ってきてくれます。
大体お茶のセットでRM5~RM10とかですかね。
お店とお茶の種類にもよりますが、人数が多ければお茶っぱの量も増えると金額増すかもしれません。
ステップ6
最後にご飯の注文です。
ご飯は白米が基本ですが、店によっては「芋头饭(ユウトウファン)」と言って「ヤムいも」と一緒に炊いたご飯を出してる店もあります。
両方あるならどちらか選んで注文します。
これが「芋头饭(ユウトウファン)」です。
ところどころに芋が入っていて、芋の香りがします。
美味しいです。
これで注文は終了で、あとはお店の人が運んでくれるのを待ちます。
基本的にはバクテーのスープは無料でおかわりできます。
中にはおかわり分チャージしてくるお店もたまにあります。
最近は多いのかもしれません。
でも、勇気を持っておかわりたのみましょう。
『肉骨茶(バクテー)』の注文の流れ
- 人数を伝える
- スープかドライか伝える
- 豚肉の部位を選ぶ
- トッピングや副菜を注文
- お茶の種類を選ぶ
- ご飯を選ぶ
注文の流れはこんな感じです。
『肉骨茶(バクテー)』の食べ方
さあ、役者は揃った!
食べ方も何もないのですが、別に決まりはありません。
大きな鍋からスープを小さな器に取って、ご飯と食べるでもいいですし、スープをご飯の上にかけちゃって食べる方法もあります。
ご飯にかけちゃうのはローカルの人やってる人多いです。
テーブルにはニンニク、唐辛子、ダークソヤソース、普通の醤油が載ってるかと思います。
こんな感じです。
これらをお好みで小皿に取って、それにバクテーの肉をつけて食べる人もいます。
こうやってご飯にかけちゃう人もいますよ。
この青い唐辛子はめちゃくちゃ辛いので辛いの苦手な人は入れない方がいいかと思います。
この、にんにく唐辛子醤油がめちゃくちゃ美味いんですよね!
ただ唐辛子、ニンニク、醤油を混ぜただけなのに、このソースがスーパーソースでして。
何にかけても食欲倍増。
これは、華人系のお店に行ったらほぼテーブルに置いてある調味料なんですが、悪魔の調味料です。
これだけで、ご飯がすすむくんです。
辛いの苦手な方は唐辛子抜きのニンニクと醤油だけでも食べてみて下さい。
「飛ぶぞ!」
このお店は揚げた湯葉が初めからこの量入ってます。
これは「炸腐竹 zhà fǔzhú(ジャーフゥジュゥ)」といいます。
別の店では油揚げもいっぱい。
油揚げは「炸豆腐 zhà dòufu(ジャードゥフゥ)」です。
この二つは大体最初から入っています。
こんな感じでお店によって全然違うので、自分好みのお店を探してみるのもいいです。
小腸も入ってます。
下のは骨付きのリブですね。
スープはかなり真っ黒。
これは味が濃いわけではなく、おそらくオイスターソースかハーブが沢山入っているので色が濃いめです。
こういう色が濃いスープは苦味が強いです。
私はそれがすごく好きですね。
スープの味は、甘いもの、塩味が強いもの、苦味が強いもの、ハーブがすごく効いてるもの、と店によって色々です。
ぜひ色々試して自分好みを見つけてみて下さい。
『肉骨茶干(バクテーガン)』ドライバクテー
スープがこんななら、ドライバクテーってどんななんだろうと思いますよね。
こんなです。
めちゃくちゃうまいです!
これはもうお酒のつまみに最高!
スープよりちょっとお高めになりますが、イカを干したサキイカみたいなものが入っていたり、味の深みはスープよりも深く、これもお勧めです。
下の動画を見たらもうドライの虜ですよ。
ご飯の上に載せたらもうご飯が止まりませんよ!
お酒のつまみにも最高です。
元々クランの港で働く労働者の朝食として始まった肉骨茶。
力仕事をする華人達の体力の源だった肉骨茶を食べたら、暑さで疲れた身体も爆上がります!
バクテー奥が深いのでぜひ色々なお店に行って色々試してみて下さい!