今回は、蕎麦の話。

あなたは蕎麦派?うどん派?なんて質問がありますが、皆さんはどうですか?
飲食好きなら一度は投げかけられたことのある質問ですが、最近の私はこう思います。
そもそも、蕎麦とうどんは比べるものじゃない。
粉も違えば、香りも食感も、楽しみ方もまったく別物。
蕎麦の良さと、うどんの良さは重なる部分がほとんどありません。
正直に言うと、私自身も若い頃は蕎麦の良さが分かりませんでした。
お金もなく、とにかく量を求めていた若い頃の自分にとって、蕎麦は「コスパが悪い食べ物」だったんです。
量が少ない。
値段が高い。
なぜかゴルフウェア姿の小金持ちが多い(偏見)。
――完全に“逃げそば”でした。
ですが、年齢を重ね、ちゃんとした蕎麦をちゃんと味わうようになってから、考えが変わりました。
蕎麦は「腹を満たす料理」ではなく、「香りと余韻を楽しむ料理」なんだと。
そんな「蕎麦の良さ」を改めて実感させてくれた一軒が、今回紹介する
裾野市の名店『蕎仙坊(きょうざんぼう)』です。

はじめまして「おうすけ」と言います。
このブログでは伊豆や静岡の観光スポット、おすすめグルメ、ランチスポットなどを紹介しております。
2023年より、かつて暮らしていたマレーシアに戻ってきましたので、今後はしばらく、マレーシアの食や文化、言語についての記事を中心に、マレーシアに長年住んでいた私ならではの視点で書いていきたい思います。
よろしくお願いします。
2024年現在、短期で日本に帰国したので、少し日本の記事を。しばらくの間「伊豆活」再開します。
コンテンツ
富士山の麓、林の奥にひっそり佇む蕎麦の名店『蕎仙坊』
『蕎仙坊』は、富士山の山麓、裾野市の林の中にあります。

正直、こんなところに店があるの?という立地。
周囲にはほぼ何もありません。
それでも、昼時になると次々とお客さんが訪れます。
今でこそネットやSNSで話題になれば、僻地でも人は集まりますが、
『蕎仙坊』は開業当初から「知る人ぞ知る名店」として支持されてきました。
開業時には
「こんな場所で店を出してもすぐ潰れる」
と地元で言われていたそうですが、結果は真逆。
確かな蕎麦の技術と、店の持つ空気感。
それが口コミで広がり、あっという間に人気店となったそうです。
店主は一茶庵系譜の蕎麦職人|60年以上のキャリア
店主の齋藤親義さんは、前職が証券マンという異色の経歴ながら、
蕎麦打ちのキャリアは約60年以上。
創業大正15年の名門蕎麦店
「一茶庵」蕎麦名人・故 片倉康雄氏
の技術と伝統を、丁寧に受け継いでいます。
年齢的なこともあり、後継者や今後の営業については少し気になる部分もありますが、
だからこそ「今のうちに体験しておきたい一軒」でもあります。
お店のウェブサイトもオシャレだし、InstagramもFacebookも綺麗なお写真が並んでおりますが、2021年や2022年ぐらいからどちらも更新されていない様な感じで古い情報のままなのが気になります。
結構オシャレな感じなので経営に若い人が携わっておられるのかとも思いましたが、更新されていないところを見るとちょっと心配になりますね。
確かにこういったメディアの更新って継続的にサポートしてくれる若者がいないと大変ですよね。
2022年の10月のインスタの記事では店主が手を骨折してしまい、蕎麦を打つことが困難な状況になってしまいました、というという投稿が。
完治するまでの間、手打ちそばのご提供をストップさせていただきます。とあります。
ということは、やっぱり蕎麦を打つ職人が店主以外いないということになりますよね?
詳しい事情は分かりませんが、まさか店主が引退したら終わり?とかないですよねえ〜。
それとももうこんなメディアを利用しなくても十分お客は来るということですかねえ?
アクセス&営業時間
ちょっと入り口は分かりにくいですが、看板があるので。
国道24号を走っているとこの看板が見えます。

そしたら、この道を入ってひたすら進みます。

すると駐車場や建物が見えてきます。
現在は昼のみの営業となっていて、インスによると定休日:月・火曜日です。
◎定休日:月・火曜日
◎営業時間:11:30~14:00
2024年4月
昔は夜も営業していたり、定休日も少なかったみたいですが今は(2024年4月)この営業形態となっています。
経営者や従業員の高齢化でしょうかね(分かりませんが)。
築400年超の古民家|店内の雰囲気が最高すぎる
店内は築400年以上の古民家。
囲炉裏、蕎麦打ち台、太い梁――どこを切り取っても絵になります。
庭を眺めながら蕎麦をすする時間は、完全に別世界。
「蕎麦を食べに来た」というより、
「時間を味わいに来た」
そんな感覚になります。
お客様が多かったので、席の方の写真は撮れませんでしたが、会計の前の所にこんなセクションがありました。

囲炉裏もあります。

蕎麦打ち台があります。

築400年ってやっぱり作りがすごいです。

庭の方の眺めも最高ですよ。

メニュー(おしながき)|二八と十割、二つの蕎麦
蕎麦は基本的に
・せいろ(二八)
・田舎(十割)
の2種類。
過去には「桜切り」「柚子切り」などの変わり蕎麦も提供されていたようですが、
現在は時期や状況によって異なるようです。
お店のウェブサイトにもおおざっぱな蕎麦のお品書きしか掲載がなく、ネットの情報でもほとんどメニューが載ってない。
季節によって色々と変わるということなんでしょうかね。
私が来店した時の「おしながき」を載せます。

ネット情報だと昔は、田舎・せいろに加えて、「富士のしらゆき」「桜切り」「茶切り」「柚子切り」など月替わりの変わりそばを盛った三色そばの三色盛りもあったみたい。
ネット情報だと下記の様な月替わりの蕎麦があった様です。(現在は再開しているか不明。)
この日の「おしながき」には書いてなかったです。
変わりそばメニュー一覧
- 富士のしらゆき
- 青海苔
- 桜切り
- よもぎ切り
- 茶切
- 青柚子
- けし切り
- 桜海老切り
- ごま切り
- 卵切り
- 黄柚子切り
情報によるとせいろが二八で、田舎が十割とのこと。
蕎麦と言えば細い方がおすすめかと思ったのですが、太い田舎そばを推している人も多くてこちらを試すべきだったのかも・・・。
こちらの太い田舎そばもかなりのパンチがある様ですが、以前の記事で紹介した修善寺の「食堂富士屋」さんの太い蕎麦も最高ですよ。
『食堂 富士屋』①|修善寺の隠れ家蕎麦屋で最初から最後まで蕎麦三昧してきた!
『食堂 富士屋』②|修善寺のお蕎麦屋さんの作る鴨鍋で日本酒三昧
蕎麦以外にも色々メニューがありまして。

いやあ、このメニュー全部で日本酒チビりたいです・・・な。
そば串ってなんやろ??


色々と試してみたいメニューがいっぱいです。
天ぷら付きせいろ|主役は間違いなく蕎麦
正直、天ぷらは「付け合わせ」くらいに考えていました。
……が、いい意味で裏切られました。
衣は軽く、素材の甘みがしっかり。
これだけで日本酒が飲めます。
そして蕎麦。
太さが完璧に揃い、角が立った美しい麺線。
見るだけで分かるコシの強さ。
つけ汁の塩梅も絶妙で、
蕎麦の香りを邪魔せず、しっかり引き立ててくれます。
普段は早食いの私ですが、
この日は自然と箸がゆっくりになりました。
終わらせるのが惜しい蕎麦。
これが「蕎仙坊」の蕎麦です。


この天ぷらだけでも良い酒のツマミになりそう。

この蕎麦の太さの均一さよ・・・。
食べる前から分かるコシのよさ。
ツルツルして美しい。

つけ汁も丁度いい塩加減と甘さ。

終わらしてしまうのが勿体無いぐらい。
見てくださいよ、この角の立った蕎麦!
エッジですよ、エッジ!!
舌が切れちまうよ。
コシといい、香りといい、完璧です。
一瞬天ぷらに持っていかれそうになりましたが、やっぱり蕎麦ですな。
早食いの私も自然とゆっくり味わって食べていました。
もう一度訪問して、もっともっとゆっくりと味わいたいですね。
まとめ|蕎麦の良さを再認識できる一軒
蕎麦派・うどん派の論争なんて、正直どうでもよくなります。
「いい蕎麦は、やっぱりいい。」
それだけ。
裾野市で本物の手打ち蕎麦を味わいたいなら、
そして、富士山の麓で静かな時間を過ごしたいなら、
「蕎仙坊」は間違いなく訪れる価値のある一軒です。
まだまだ店主には頑張って欲しいなあ・・・。
