マレーシア料理を語るのに、インド料理は絶対に外せません。
マレーシアなのにインド料理?と思いますよね。
これにはマレーシアの多民族国家の背景があります。
以前の記事「マレーシアとはどんな国?」で、マレーシアは多民族国家であることについて書きました。
その記事の中で触れましたが、2022年の統計によるとマレーシアは、人口のマレー系69.9%、中国系22.8%、インド系6.6%、その他0.7%が居住する国家となっています。
インド系が6.6%という統計ですが、このインド人達の文化はマレーシアの食文化に大きな影響を与えています。
マレーシア全土で見ると6.6%ですが、大きな都市に行くともっと高い割合でインド人がいる感覚があります。
特にインド料理店はインド人だけではなく、華人も大好きでよく利用します。
ではマレー人は?
マレー人はハラルフードといって、イスラム教(ムスリム)の戒律によって食べることが許された食べ物しか食べることができないので、基本的にはインド人の料理店では食べることはないのですが、マレーシアにはインド系のムスリムの人達がやっている「Mamak Stall (ママッ ストール)」というハラルフードのお店があって、そこでもインド料理とマレー料理が混ざった様な料理を食べれますので、マレー人達はそこでインド料理に近い食事を食べています。
そう考えると、インド人の割合は少なくても、マレーシア国民に愛されているインド料理です。
このインド料理も奥が深く、色々と書かなければならないことが沢山ありますが、今回はインド料理屋のワンプレートディッシュを紹介します。
はじめまして「おうすけ」と言います。
このブログでは伊豆や静岡の観光スポット、おすすめグルメ、ランチスポットなど色々な分野を紹介しております。
2023年より、かつて暮らしていたマレーシアに戻ってきました。
今後はしばらく、マレーシアの食や文化、言語について、かつて15年以上マレーシア住んでいた私ならではの視点で紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。
食べたいものを好きなだけ盛り付けるワンプレートカレー
マレーシアに移民としてやってきたインド人は南インドのタミル系の人たちなので、マレーシアのインド料理は南インドの料理になります。
カレーはサラサラ系です。
日本でも流行っているスパイスカレーの様な感じです。
私の住んでいる街にはインド人が少ないのでインド料理屋があまりありません。
冒頭で触れた、インド系ムスリムのお店、Mamak Stall (ママッストール)またはNasi Kandar(ナシカンダー)も数軒しかありません。
このMamak Stall (ママッストール)またはNasi Kandar(ナシカンダー)についてはまた別の記事で紹介します。
そんな数少ないインド料理屋のうちの一軒がうちの比較的近所にありまして。
小さな工場地帯の一角にあるのですが、お客はその工場地帯の労働者がほとんどで、インド人から華人、または外国人労働者などが多くみられます。
工場地帯にあるためか、値段はめちゃくちゃ安くて、お腹いっぱい食べれます。
お店に入ると奥の方にこんな感じでおかずが並んでます。
田舎の小さな店なので種類は少ないですが、クアラルンプールやイポー、ジョホールバルなどに行けば30〜50種類ぐらい置いているお店もあります。
この自分でお皿に盛るビュッフェスタイルはマレーシアのレストランの定番で、マレー語では「Nasi Campur(ナシチャンプー)」、中国語では「经济饭(Jīngjì fàn)」、英語ではEconomy Riceと呼ばれる形態です。
また別の記事でこのNasi Campur、中国語では経済飯、英語ではEconomy Riceについては説明したいと思います。
ワンプレートカレーの注文の仕方
まず大体お店に入るとお店の人に、「Makan?」と聞かれます。
Makanとはマレー語で食べると言う意味で、ここで食べますか?と聞かれているわけです。
もしお持ち帰りなら、「Bungkus(ブンクス)」といえば持ち帰り用のパックに入れてくれます。
「Makan Sini(マカン シニ)」と言うとお皿にご飯を盛ってくれます。
Makan🟰食べる、Sini🟰ここ、で「ここで食べます」の意味になります。
お店によりますが、どんなにご飯を盛っても値段は変わらないところと、ちょっと値段が上がる場合があります。
「Economy Rice」と呼ばれているぐらいですから、以前はどんなにご飯を盛っても、どんなにおかずを盛っても、選んだおかずの数と種類で値段が決まったのですが、最近は物価の高騰やマレーシア人の収入も上がっているため、多めに取ると多めにチャージされる店が増えました。
特に華人系の「Economy Rice」はその傾向にあり、インド系やマレー系はその辺がおおらかでどんなに量を取っても値段は変わらないところが多いです。
上記で説明したMamak Stall (ママッストール)またはNasi Kandar(ナシカンダー)ではまちまちで、都会の方だとお店の人がお皿に盛ってくれるシステムが多いので、お店の人に量を調整されたりします。
でももっと欲しいときはもっと盛ってくださいと言えば盛ってくれます。
お店によるんですが、最初にご飯だけお店の人がお皿に盛ってくれてあとは自分でおかずを選んで自分で盛るスタイルと、ご飯もおかずもどっちもお店の人が盛って、量をコントロールするスタイルがあります。
インド人はご飯を沢山食べますし、「バナナリーフ」という食べ放題ビュッフェスタイルの料理があって、ご飯、カレー、野菜のおかずは好きなだけおかわりできる形態の料理があるので、それもあってインド系のレストランではどんなに量を取っても値段がかわりません。
値段設定ですが、この田舎町のインド料理店は、2種類の野菜(卵料理や豆腐料理を含む)と1種類のお肉(鶏肉)を取ると、RM7(約210円)です。
2種類の野菜と一種類のお肉(牛肉や羊肉)を取るとRMRM9~11ぐらいに上がります。
牛肉や羊肉はちょっと高いので。
魚になるともうちょっと上がります。
なので、お魚を取ったときは大体RM11~。
私の経験からすると、魚と羊肉は高いので、それを一つ取っただけで値段が結構上がります。
逆に安く済ませたい場合は、野菜だけを3〜4種類とって、カレーのソースだけをご飯にかけます。
カレーソースは基本的にタダですので。
そして、初心者がやりがちなのが、肉や魚を2〜3種類とって、野菜を1種類とかを取るというやつです。
これは同じ3種類でも肉や魚が値段が高いので、結構跳ね上がります。
たった2種類しか取ってないのに、値段が高い!ボッタクリと思った方は何を取っているかを確認してみてください。
量が少なくて、種類もそんなに取ってないのに高くチャージされたという方は肉と魚で値段が上がっているかもしれません。
マレーシアについてのブログを書いている方達で、この料金システムが気まぐれとかわかりにくいと書いている方もいますが、慣れると一貫性がわかってきます。
中には外国人とわかるとボッタくるお店もありますが、実はお店の人にもちゃんとした料金システムがあるのです。
親切なお店は何を何種類取ったら「いくら」とか説明が書いてあったりします。
お気に入りのお店や近所の店などよく通う店ならおかず一つ一つの値段がいくらか聞くといいです。
そうすると次回同じ店で同じ種類のおかずを取った時に値段がいくらかわかってきます。
顔を覚えられたら向こうもボッタくれないですしね。
またこの注意点は『Economy Rice』の記事を書いた時に詳しく説明したいと思います。
ワンプレートカレー実食
さて、盛り付けたワンプレートはどんな感じになるかというと・・・
ある日のワンプレート。
赤と茶色ばっかり。
左のはカリーチキンです。
右が厚揚げをスパイスで味付けたもの。
上の野菜はゴーヤをスパイスで炒めたもの。
そして最後にカレーを3種類ほどドバーッとかけます。
左上の煎餅みたいなやつは、パパダムと言ってレンズ豆から作られた薄いおせんべい。
レンズ豆の粉に塩と落花生油を加えて生地を作り、唐辛子、クミン、ニンニク、黒胡椒などの調味料を加え、生地は薄い円形にして、乾燥させ、その後油で揚げます。
マレーシアには油で揚げる前のパパダムが普通にスーパーなどで売られています。
それを買って油で揚げて食べるとお酒のおつまみにもとてもいいんですよね。
かなりしょっぱいですけどね。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
最近カルディやドンキでマレーシア産のパパダムチップスが売っているのを見ますね。
ネットでも買えます。
インド料理には欠かせないパパダム。
そしてもう一つインド料理に欠かせないのが、ラッサムです。
ラッサムくださいと言うとこのような銀の器に入れてくれます。
基本的にはパパダムもラッサムも無料です。
ラッサム(rasam, ரசம்)は、南インドで日常的に飲まれているスープのひとつ。トマト(野菜)、独特のさわやかな酸味を持つタマリンド(果物)などを黒胡椒やニンニクやヒングで味付けして煮たもので、辛味と酸味が強いのが特徴である。タミル語でジュースを意味する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
このラッサムが生姜やニンニクが入っていて酸味もあって、一年中暑いマレーシアでこれを飲むと元気が出ます。
インド人にとってこれは日本人の味噌汁みたいな感じですかね。
結構辛いのもあるので、辛いのが苦手な方は注意を。
飲んだ瞬間身体が熱くなって汗が吹き出ますよ。
安くてお腹いっぱい食べれますよ。
野菜をいっぱい食べたい時にはこのお店がもってこい。
どんなに取っても値段は変わらずですから、普段の野菜不足を補います。
ぐちゃぐちゃになってますが、マレーシアのインド人の方達は更にこれをぐちゃぐちゃに混ぜて食べます。
疲れた肝臓にはターメリックの摂取が一番。
この唐辛子の干からびた様なやつは、唐辛子を塩漬けしたものを油でカラッと揚げたものです。
地元の人にこの名前を聞いても「チリ、チリ!」としか言わないので、詳しい人にレシピも含めまた聞いてみたいと思います。
ご存知の方がいたら教えて下さい。
辛さはそんなにないのですが、めちゃくちゃしょっぱい!
でもサクサクしてご飯のおかずに最高。
インド人の箸休めですね。
血圧高い方はご注意を!
こんな感じでインド料理はカレー、パパダム、チリ、とご飯が進んでしまうので、危険です笑
また美味しいインド料理屋を見つけたら紹介します。
ピンバック:『Banana Leaf バナナリーフ』|バナナの葉っぱをお皿にして食べる食べ放題カレー – Awesome Trips