以前の記事でもちょいちょい紹介していたのですが、マレーシア在住の日本人がよく”マレーシアのおでん”などと紹介している練り物や豆腐をスープに入れた料理があります。
もちろん日本のおでんとは味も具も全く違うんですが。
このマレーシアのおでんと言われているのは「酿豆腐(ヨントーフまたはヨンドウフゥ)niàngdòufǔ」です。
北京語、いわゆる中国人の大半が話しているマンダリンでは漢字をそのままカタカナ読みすると「ニィエンドウフゥ(niàngdòufǔ)」と発音するのですが、この料理の起源となっている中国の客家民族が話す客家語では「Ngiong teu fu ギョン・テウ・フー」または「Yong tau foo(ヨンタオフー)」と発音します。
マレーシアでも大体この音に近い音で呼ばれています。
今日はこの「酿豆腐(ヨントーフまたはヨンドウフゥ)」をおつまみにやっちゃいましょう!
はじめまして「おうすけ」と言います。
このブログでは伊豆や静岡の観光スポット、おすすめグルメ、ランチスポットなど色々な分野を紹介しております。
2023年より、かつて暮らしていたマレーシアに戻ってきました。
今後はしばらく、マレーシアの食や文化、言語について、かつて15年以上マレーシア住んでいた私ならではの視点で紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。
酿豆腐(ヨントーフ)』とは?
この『酿豆腐(ヨントーフ)』は客家(ハッカ)と呼ばれる民族が発祥と言われています。
客家(ハッカ)とは、中国南部に住む民族集団の一つで、主に福建省、広東省、江西省、湖南省、台湾などに居住しています。
彼らの言語は客家語(ハッカ語)です。
マレーシアの華人の中にもこの客家(ハッカ)の人たちがいっぱいいます。
なので当然彼らの料理、客家料理もマレーシアには沢山あります。
マレーシアの客家料理で有名なのは『擂茶(レイチャー)』などがあります。
『酿豆腐(ヨントーフ)』とは
『酿豆腐(ヨントーフ)』は元々四角い豆腐に切り目を入れて、中にスパイスで味付けした羊や豚のひき肉を詰めて、焼いたり、煮たりしたものだった様ですが、そのうち茄子や椎茸や苦瓜の中にひき肉を入れたり、魚のすり身を入れる様になっていきました。
そして、アジアの南に移住していった客家(ハッカ)の人たちがこの『酿豆腐(ヨントーフ)』を広めていき、タイやマレーシア、シンガポールなどに形を変えて伝わっていきました。
以前にチェンマイの記事でも触れたのですが、タイでは『酿豆腐(ヨントーフ)』はだいぶ進化して、イェン・ター・フォー (タイ語: เย็นตาโฟ)と呼ばれ、豆腐を紅麹で発酵させた紅腐乳と、肉または魚のすり身団子をベースとした麺料理となっています。
透き通ったピンク色のスープの麺でとても美味しいですよ。
タイに旅行に行った際は絶対に食べるべき一品です。
『酿豆腐(ヨントーフ)』の注文の仕方
マレーシアやシンガポールに伝わった形は、豆腐や野菜にひき肉や魚のすり身をつめたものをスープに入れて食べる形です。
麺を入れてもらうこともできます。
スープはシンプルな「清汤(チンタン)」や「咖喱汤 or 咖喱咖沙(ココナッツミルクの効いたカレー味スープ)」、それに「东炎汤(トムヤム味)」などが選べたりします。
最近だと「麻辣(マーラー味)」などが選べたりもします。
マレーシアの麺料理の麺の種類の選び方やスープの選び方は過去の記事で詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
こんな感じでネタが置かれています。
大きな都市だともっと色々な種類がある店もあるかと思います。
大体どれも値段が皆一緒で、何個取ったかで計算されます。
お皿を取って、トングでこれらの具から好きなものを好きなだけ選んで、お店の人に渡します。
お皿を渡すと、お店の人にスープの味が何かいいか聞かれて、麺を入れるか?ご飯と一緒に食べるか?などと聞かれます。
クアラルンプールとかシンガポールとか大都市では、スープではなくドライと言われる、選んだ『酿豆腐(ヨントーフ)』の上に黒い甘辛いソースをかけてくれてバージョンもあります。
私が住んでいる地域にはないです。
酿豆腐(ヨントーフ)カレー味のスープバージョンで飲っちゃおう
本日はTIger Beerの660で飲っちゃう。
今回選んだのはカレー味スープ。
いわゆる「カレーラクサ(咖喱咖沙)」と言ったらアジア通な皆さんも聞いたことあるでしょうか?
この辺の田舎町では咖喱汤(ガーリータン)とか咖喱汁(ガーリーズゥー)とか言います。
スープの味が濃くてココナッツミルクが入ってて濃厚なんで、ビールのおつまみに最高。
ここのお店はネタ一個RM1.60(56円ぐらい)でした。
大体6〜7個ぐらい取ったら一人分でちょうどいいぐらいかな。
これにご飯や麺をつけたら十分な量だと思います。
とある別の日は普通の清汤(チンタン)にしてみました。
清汤(チンタン)というのは字の如くクリアなスープです。
清汤(チンタン)スープがさっぱりに見えますが、ニンニクが効いていたり、フライドオニオンの香ばしい香りがしたり、日本のおでんと一緒で練り物や豚の挽肉から出た出汁がスープに溶け出していてたまらんのです。
よくマレーシアのおでんなんて言われますが、日本のおでんの繊細な味とは違って結構パンチがあるんです。
これが結構日本人にもウケがいい理由かもしれない。
これは茄子や豆腐にひき肉が詰めてあるバージョンで、これまたたまらんです。
この赤い唐辛子の中に魚の練り物が入ってるやつ。
実はそんなに辛くないです。
実は大きめの唐辛子はあまり辛くないんです。
特にタネと中のスジみたいな白い部分を完璧に取ってしまえば、全く辛くないです。
ただマレーシア人は辛いのが好きなので、そこをちょっと残してあったりするのでちょっとピリ辛でちょうどいいぐらいです。
マレーシアの唐辛子は大きいものはそんなに辛くなく、小さいもの、特に青い色のものはすごく辛いです。
あとはタネと白いスジみたいなところがすごく辛いです。
唐辛子の辛さというのは、食べてみないと実際の辛さはわからないと言われていて、たまにすごく辛いのもあったり、全く辛くないのもあったりします。
辛いの苦手な人は気をつけた方がいいかもしれないですね。
でもこの酿豆腐(ヨントーフ)の赤唐辛子練り物詰め結構病みつきになりますよ。